発達障害のあるお子さまのアンガーマネジメントについて

教育

アンガーマネジメントと聞くと、企業の研修などで導入されているイメージが強く大人が対象だと思っている方も多いかもしれません。

しかし、アンガーマネジメントは子どもも対象内であり、自分の気持ちを言葉で表すのが苦手で衝動的な行動に出てしまう場合などの対処法も存在します。

この記事では、アンガーマネジメントとは何かを説明し、子どものアンガーマネジメントの必要性や子どもが感情を上手にコントロールするために大切なことについて説明します。

(1)アンガーマネジメントとは

アンガーマネジメントとは、怒りと上手に向き合うための心理トレーニングのひとつです。
現代では、企業研修やストレスの多い医療・介護の現場や子育て中の方など幅広い分野で活用されています。
また、アンガーマネジメントは怒らなくするトレーニングではなく、怒りの気持ちとの上手な付き合い方や上手な出し方を身に付けるものです。
怒りの感情は老若男女問わず誰しもが抱くものです。それを自覚し、上手くコントロールできるかが大切です。

(2)発達障害のあるお子さまのアンガーマネジメント

発達障害のあるお子さまが癇癪を起こしてしまったり、怒りの感情を爆発させてしまった場合、まずは「どうしたの?話を聞くよ?」と声かけをすることが大切です。そして、とにかく話を聞いてみますが、子どもの話を否定せずに共感しながら丁寧に聞きましょう。その際、正論を言い続けるのではなく子どもの味方になることを優先し、それを意識しながら最後まで丁寧にお子さまの気持ちを受け取ってあげると良いと思います。

ただし、お子さまの怒りの感情を相手にする場合、話を聞くことに傾注し共感するとは言え親がお子さまに同調して怒ったり、愚痴を一緒になって言うのは控えた方が良いです。お子さまのネガティブな感情が余計に大きくなり、解決から遠のいてしまいます。

あくまで、「悲しいし辛いよね」「そりゃ、怒りたくもなるよね」と、感情に寄り添った声かけや相槌などで共感しながら聞くと良いでしょう。また、子どもが触れられるのを嫌がならければ、背中や頭を撫でたりさすってあげたりしながら聞いてあげると、落ち着きを取り戻す可能性が高まります。

根気強くお子さまの話を聞き、共感を繰り返すサイクルの中で自分はこういうシチュエーションの時に怒りを感じやすいなといった自覚を促し、徐々にできていくはずです。その結果、怒りの感情のコントロール、すなわちアンガーマネジメントに繋がります。

〈参考〉
『特別支援教育の理論と実践』第4版,2023年4月1日, p.126‐127, 一般財団法人特別支援教育士資格認定協会編

アンガーマネジメント協会webサイト 「アンガーマネジメントとは?」 https://www.angermanagement.co.jp/about

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