政府が「南海トラフ地震情報」を発表したり、大きな地震がくるのではないかとの情報をSNS等で見たりして、不安を感じている方も多いかと思います。
とくに、特性があるお子さまのいるご家庭では、そのお子さまの特性から、もし災害があった場合にお子さまが自分の判断でスムーズに避難できるのだろうか?一人で避難所で過ごすことができるのだろうかと心配されているかと思います。
今回は、特性のあるお子さまが一人暮らしなど家族と一緒にいないときに、お子さま一人で自立して避難できるように、どのようなポイントで準備をしておくとよいかご紹介します。
① 事前の対策
《避難準備》
初めに、日ごろの準備として避難場所、避難先の確認をしておくことで突然の災害時に慌てずに行動できるようになります。
特に特性のあるお子さまの場合、緊急時にパニックになってしまったり、避難場所が急に思い出せなくなってしまう場合があります。
そんな状況にそなえて、常日ごろから、自分の目の入る場所に最寄りの避難場所の写真や、避難経路地図を貼っておくようにお子さまに伝えておくとよいでしょう。
お子さま自身で準備ができない場合は、全てを親がやってあげるのではなく、お子さまと一緒に避難場所を調べたり、どこに貼るのが分かりやすいかをお子さまと一緒に話し合って決めていきましょう。出来る限り、災害時は自分の身は自分で守ることを意識できるようなサポートをしていきましょう。
できれば実際に避難経路を使って避難場所まで行ってみて、避難経路の途中に自分にとって困難な場所がないかなど確認し、もしあれば事前に対策しておくことも伝えておきましょう。
もし住んでいる地域で行われる避難訓練がある場合には、緊急時に慌てることのないように参加する意義をお子さまに伝えて、積極的に参加するようにお子さまに促しておくと良いでしょう。
また普段から、ご近所さんに顔を覚えてもらうことで、実際の避難の時に助けをもとめやすくなります。地域での関係性が希薄な場合は、同じ学校の友達や住んでいる地域に近い親族などと緊急時に連絡がとれるように準備しておくことも大切です。
《防災グッズ準備》
続いて、事前準備として防災グッズの準備があります。
特性のあるお子さまの場合は、一般的な防災用の飲食物やヘルメットなどの防災グッズのほかに、特性に応じたグッズを準備しておきましょう。
口頭でのコミュニケーションが苦手なお子さまの場合、文字で自分の意思を伝えられるようにメモ用紙やペンを用意しておくとよいでしょう。100均で購入できるメモパッドなども活用できます。
また、必要な助けを伝えるためのコミュニケーションカードを事前に作っておいて、それを見せるだけで相手とコミュニケーションがとれるように準備しておくと安心です。
他には、避難が長期にわたる場合もあるため、常用している薬を1週間分など準備しておくと良いでしょう。また、避難所で医療を受ける場合もあることからお薬手帳のコピーもいれておくことも大切です。
その他、感覚過敏の特性のあるお子さまの場合は
感覚過敏を軽減できる下記のようなグッズの用意をしておくとよいでしょう!
聴覚過敏 イヤーマフ、ノイズキャンセリングイヤホン
視覚過敏 大きめのブランケット、フード付きパーカー
嗅覚過敏 自宅の芳香剤など好きな香りのアロマを染み込ませた紙
家族の連絡先や、かかりつけ病院、支援をうけている先の連絡先を記載したメモを持参しておけば、自分自身が連絡できない場合でも、誰かに頼むことができるので安心です。
最後に、準備した避難グッズの中には薬などの消費期限のあるものが入っている場合がありますので、中身を定期的にメンテナンスすることも忘れないでください。
② 避難所での対策
特性があるかどうかは、見た目では分からない見えないことがあるので、支援者からの理解と特別の支援を得るためにヘルプマークを活用すると良いでしょう。
ヘルプマークとは、外見からはわかりにくい事情のある方が「周囲の方の援助や配慮を必要としていること」を知らせ、サポートを得やすくするために作成されたマークのことです。 ヘルプマークの裏面には、名前や連絡先、必要としている援助などを書き込めるシールを貼ることができます。
また、自治体でヘルプカードの配布もしています。ヘルプカードにどのような配慮を必要としているのか、具体的に記載することができるため災害が起きたときや、お出かけ先で困ってしまった時など、いざというときに必要な支援を受けるのに役立ちます。
地域によって取得の方法は違うので事前に調べて取得しておきましょう。
参考(静岡市)→https://www.city.shizuoka.lg.jp/s3278/s002897.html
避難所では、トイレに近い場所や人混みを避けた場所など、特性に合わせたスペースを確保してもらうようにお願いしましょう。
日ごろから使っていて気持ちが安定する自身の「こだわりグッズ」がある場合は、用意しおくと気持ちが安定します。
また、緊急避難マップや防災に関するサイトを登録しておいたり、スマフォアプリをインストールしておくといざというときに役に立ちます。
静岡市防災情報マップ
https://www2.wagmap.jp/shizuoka-hazard-sp/
総合防災アプリ「静岡県防災」
https://www.pref.shizuoka.jp/bosaikinkyu/bosaijoho/bosaiapli/index.html
災害時は普段と環境が一変するため、お子さまが強いストレスを感じることになります。お子さまが災害時に「何に困りそうなのか」を自分自身で理解できるように、日ごろから働きかけ、災害時にそばに家族がいなくても、お子さまがパニックにならないように、一緒に防災について考える時間を作り、災害に対する準備をしておきましょう。